国立文楽劇場11月公演『伊賀越道中双六』通し上演

こんばんは。

3日国立文楽劇場へ行ってきた♪

夏休み公演以来の文楽劇場で楽しみ。

文楽は先月、日根野でミニ公演を体験できた。当選して本当によかった!!

私は大阪土産(かな?)の日根野産のタレを買って帰った。

まだ食べてないんやけど、野菜炒めにしようかなと♪



11月公演は『伊賀越道中双六』の通し上演。

知った時は、伊賀越に思い入れが少なかったので期待していなかった。

でも聴く前から期待すると、期待分でがっかりするかもしれないので、これはこれでいいことだと思うことにした。

かわいいノートと先に出逢い、浄瑠璃を全文書き写そうと張り切ってはみたけど、思うように進まず断念。

これもせっかく初めて聴くんやから、知らない方がいいこともある!と思い直した。



今回これが効果的で一日楽しめた♪♪♪



まぁもうちょっと登場人物の間柄と配役は覚えていてもよかったかも。



文楽鑑賞として、
あらすじと登場人物、配役は知ってから臨むべし。(なんつって)



今、あらすじチラシを読み返したら「眼病を装う志津馬」とあった。

そう、私は眼病の理由が気になってたんやけど、この「装う」を知らなくてよかった〜。

初めて聴くのに、程よく知らない状態ですごく楽しめたから。

仕掛けを知っているのと知らないのとでは、楽しさの感動の度合いが大きく変わったと思う。

今回は全てがいい方向につながった。



でも名刀正宗に絡む、外様大名上杉家vs足利昵近衆のことは書いてなかった。

私は進むにつれて刀の魅力が気になって気になって。

武士の意地が発端というのが、円覚寺の段まででよく分かった。

この納得できるというのが今回楽しめた一番の理由やと思う。



今まで7年間文楽を聴いてきて好きな作品があったはずやのに、今はそれが浮かばない。

どれも何かが足りない。

それは私のわがままではあるが。



もちろん好きな場面はたくさんある。

でもそれを合わせて通しで聴いてみたい。

なので好きな作品は伊賀越道中双六に。

と言っても配役の影響も大きいので、清十郎さんの志津馬で楽しんだ今回の伊賀越が大好きに。



大序形式で聴けるのは嬉しかった。

何かの本で大序から修行が始まるとあったから。

でも昨年の通しでもやってたんかな…?

進むにつれて刀が奪われずにある、というのが痛快だった。

浄瑠璃集を読み始めた時、丹右衛門が志津馬に股五郎を友にするな、というまともな忠告があり、めっちゃええ人やとすぐ覚えた。

上演床本にその箇所はなかったけど。

丹右衛門は常に賢くて、志津馬が頼みにするのがよく分かった。



柴垣とお谷の関係は、ドキュメンタリードラマ『ねじれた絆』が思い出されて仕方なかった。

まぁ取り違えと継母は別の問題やけど、うまくいくように考えるしかないよね…。



自害してもう出てこないと思っていた鳴見が出てきたことに、素直に驚いた。

丹右衛門と鳴見の死は聴いていて嫌な感じはなく、休憩時間になって、友人と第一声が「楽しいな」になったと思う。

あとで気付いたのは志津馬が早まって死にそうになるが死なない。そりゃそうなんやけど。

忠臣蔵の勘平さんの死は仕方ないことやけど、早まって…というのが後々まで残ってしまう。

今思ったのは本当に双六の駒のように変転が感じられたこと。



志津馬の失態で刀が質屋に入ったと思いきや、父が取り返していた。

安心していたら父は殺されてしまうが、刀は無事だったという。

今度は股五郎を差し出す代わりに刀を相手方に渡すのかと不思議に思っていたらそうじゃなかった。

これらが全て言葉になっていて納得できた。



この感覚を考えていて、道行がなく地味だと聞くと、文楽らしい道行がないことによって、馴染みのある時代劇に近いんかなと思った。

文楽はまぁ、古い話をすると…敷居が高いとか言われる。

それが伊賀越だと人形浄瑠璃の時代ものでも、世話ものに感じるような雰囲気があった。



政右衛門屋敷はお谷を女中扱いする場面、ドラマ『夫のカノジョ』みたいで楽しかった。

枕を持って出てくるのがお谷だなんて(笑)。

でも浄瑠璃って笑う展開じゃないでなと改めて思った。

その笑いのバランスが絶妙なのかな。

おのちと政右衛門のラブラブな関係にも笑えた。

劇場が一体となったのは「どこに置いても邪魔にならぬ」だった。

そののち「行家殿の忘れ形見」で私は泣けた。

またラブラブな場面ののち、切腹で「???」ってなるんやけど分かりやすい説明がちゃんとあった。



やっと名場面の沼津。でも咲大夫さんを聴きながら、このあと竹本住大夫さんも聴けるのかと贅沢な気分になった。

でも見取りでもそうなるんやけど、通しでこんなにもいい場面が続くと思うだけでワクワクしてきた。



沼津は一度聴いたけど印象はよくない…。

でも今回は双六の流れでどうなるのかという本来の楽しみ方ができるのが本当に嬉しい。

寛治さんに震え、吉田簑助さんのお人形にうっとりし、十兵衛の告白にも震え、住大夫さんにも震える。

いや、寒くなかったと思うよ…。

親子の名乗り合い…。見た目はきれいじゃないのに…泣けた。

前回こんないい場面を観た記憶がなかった…。



文楽は通ってなんぼか。



ん、中毒性?(笑)。



あとはまとめていいかな。

志津馬の眼病を装っているという展開が楽しかった〜♪

あれはドラマ『リーガルハイ』の忍びのじゅんのが二人も!!(笑)。



いや〜楽しかったよ!



今日はもう一回分通しのチケットを取った。きゃはん(*≧∀≦*)



写真は、まずブックカバーから。2日から『綱大夫四季』を読み始めた。

子どもの頃、朝早くから文楽を聴きに行く話は面白い!

文楽のお土産、まずは妹が好きなゴマ煎餅。

チケットを取っただけなのに、いつもコーヒーをおごってくれる友人には豆煎餅を贈った。

帰りにやっぱり卵煎餅がほしくなった♪

小道具のクッキーは卵煎餅みたいな味でおいしかった(*≧∀≦*)

ツメ人形ストラップ2つめは、かわいい妹背山の官女。

2つともスマホに付けちゃった♪きゃはん(*≧∀≦*)

カレンダーは嵩張るなと思っていたけど、見本で清十郎さんの勘平さんをみつけて決めた。

書き込みができるカレンダーは便利やし。



いろいろ買いたくなって、ほんまに文楽が好きやなって実感♪