浄瑠璃を読むのが好き
こんにちは。福島智さんの再放送が16日にあった。
その前にもスペシャルで久しぶりに見た。
最近は録画しない。その代わり好きな番組はノートに取るようにしている。
福島さんの再放送にご縁を感じ、はてなブログのことが気になり始めていた。
今まで何度も迷い、mixiと書き分ける意味を考えていた。
やっと答えがみつかった。
というより答えがやってきた、という方が正しい。
『鴨が葱をしょってくる』(笑)。好きなことわざ。
いろんな方の前向きな姿勢を知り、やる気が出た。
お会い出来ない方でも、自分に学ぶ姿勢があれば、いつどこにいても吸収できる。
さて、浄瑠璃について。
昨年3月三浦しをんさん、六世鶴澤燕三さんの講演会に出かけた。
お二人とも、眠らずに文楽を観るには「予習すること」とおっしゃった。
4月公演は『義経千本桜』。私は初めて観る。
講演会のあと、
岩波文庫『義経千本桜』
に出会っている。どこの本屋やったっけ(気になる性格)。
読み始めたが、挫折。読書力が足りていなかった。
結局4月公演第1部、1回目は眠ってしまった。
当日にプログラム(床本集付き)を買うから、予習は難しい。
別の日に第2部を観る予定だったので、その日までに予習ができた。
するとその効果が現れた。
もちろん浄瑠璃の話が素晴らしいのだが、分かって観ると感情移入もしやすく、文楽3年生にして初めて涙を流した。
小金吾さんの場面は泣ける。
そのあと吉田簑助さんのお里ちゃんの動きに感動した。
兄に向かって
「あっかんべー」
は本当にお人形が生きているように感じられた。
いがみの権太の打ち明け話の場面でも大泣き。
さらに三世桐竹勘十郎さんの狐忠信の宙吊りには、鳥肌が立った。
舞台も下がっていき、空を飛んでいく狐忠信の演出は本当に素晴らしかった。
スタンディングオベーションをしたいぐらい。
国立文楽劇場で2回目、博多座で3回目の宙吊りを観ることができたが、恥ずかしくて立ち上がることができない。
あぁ情けない。
私は最初に流した涙を忘れないでいようと思う。
他の浄瑠璃でも泣けることはあるが、押し寄せてはこない。
『義経千本桜』は本当に涙を流せと言わんばかりの詞が続く。
この時から文楽に夢中になっている。
チケットはたまたま譲っていただいた。前もって送ってくれたという床本集も手元に届き、予習ができた。
これはありがたい。
『双蝶々曲輪日記』
『恋女房染分手綱』
どちらもかなり読み込めた。
愛媛県の道後温泉に着いてからや(一人旅)、内子座への移動中も読んだ。
そして実際に聴くと、当たり前だが自分で読んでいた時の何倍も感動して涙が流れた。
升席の苦痛も終わりには、快感に変わっていた。
『恋女房染分手綱』は近松門左衛門(今日から近松先生)の『丹波与作待夜のこむろぶし』の改作と知り、なぜかこのことに深く感動した。
ちなみに『双蝶々曲輪日記』も近松先生の『山崎与次兵衛寿の門松』ともう一作によるらしい。
どちらも
小学館『新編 日本古典文学全集 74 近松門左衛門集1』
に収録されている。手元にあるが未読。
私の大好きな作品、近松半二(半二先生)の『本朝廿四孝』も近松先生の『信州川中島合戦』の影響を受けていると。
岩波書店『新 日本古典文学体系92 近松浄瑠璃集下』
に収録されている。こちらも未読。
こうやってあらゆる作品に影響を与えている近松先生に本気で興味が湧いた。
そのあとありがたいことに、昨年錦秋公演では
『心中天網島』
が掛かった。
嬉しかった。
この時は、
角川ソフィア文庫『曽根崎心中 冥途の飛脚 心中天の網島』
現代語訳付き、諏訪春雄さん訳注
を読んだ。
豊松清十郎さんがご出演された
『芦屋道満大内鑑』
は
岩波書店『新 日本古典文学体系93 竹田出雲 並木宗輔 浄瑠璃集』
角田一郎さん 内山美樹子さん 校注
を読んだ。
昨年の内子座以来、公演の前に浄瑠璃を読みたいという欲求は止まらない。
昨年12月博多座公演
『菅原伝授手習鑑』
は私は初めて。本がこの時はみつからず、竹本住大夫さんの文庫本をよく読んだ。
『義経千本桜』と
『新版歌祭文』
は以前、国立文楽劇場の床本集があるから読んで行った。
今年初春公演
『日高川入相花王』
は昨年10月地方公演のプログラムに浄瑠璃が載っていた。
2月公演
『大経師昔暦』
は
小学館『新編 日本古典文学全集 75 近松門左衛門集2』
を読んだ。
今は国立文楽劇場、吉田簑助さん文化功労者顕彰記念4月公演
『妹背山婦女庭訓』
を読んでいる。
小学館『新編 日本古典文学全集 77 浄瑠璃集』に収録されている。
こちらには5月公演の
『碁太平記白石噺』
も収録されている。ラッキー。
でも清十郎さんは
『新版歌祭文』
にご出演される。
これは昨年初春の床本集があるので、読むのが楽しみ。
今回は浄瑠璃の感想を書くまで至らなかったが、文楽というお芝居には魅力的な物語がたくさんある。
江戸時代、さらにはそれ以前から続く語りの文化を今も感じることができるのは、ありがたいと思う。
旧暦睦月十四日、カスミハジメテタナビク。空氷