夏休み文楽特別公演初日

sorahi2010-07-17

こんばんは。

国立文楽劇場、夏休み文楽特別公演、初日を迎えた。

一日に3部とも観るのは初めて。

それなのに、昨晩から全身絶不調…。足も腕も痛くて、鼻づまりで、頭痛で…。そんな体調でも夜更かし気味で…。

今日はよく起きられたよ、あたし。

しかもすっきりと!なので開場前に着いた。

夏の日差しをめいいっぱい浴びながら歩いた。



第1部、親子劇場
人形解説

人形劇『新・三銃士』の話が出た。文楽のお人形は棒タイプに属するらしい。

なぜ三人遣いなのか。
*より人間らしく
*人間にはできない動作をする

改めて学ぶ。

どぐしに付いている仕掛けは、竹と知る。

立役の右手は、左手と同様差し金が付いていると。言われるまで意識していなかった。観ていたはずなのに。

子どもの泣き方実演で、子どもたちの素直な笑い声がたくさん。楽しい。



これから床本集と、にらめっこしながら書いていくので、ネタバレありです。

*雪狐々姿湖

まず狐が6匹も並ぶ。ちゃんと個性があって楽しい。

う〜ん、どの子もよかったけど、やっぱり白百合がかわいかった。

コン蔵の南都大夫よかった。

白百合の回想話、スポットライトを浴び、背景も紅葉から新緑に変わり、源左どのが出てきた〜。

予測していなかっただけに驚いた!でも清十郎さんの源左どのを観られて嬉しい。

白百合の変身後、めっちゃかわいいよぅ。公演記念のハガキに、この白百合があったので、思わず購入。

次の舞台は冬景色。感動した。外の気温なんかすでにすっかり忘れていたが、このセット変えで改めて、あ、夢中になっていたなぁと感じた。

結末を知っているだけに、狐白百合の覚悟を聴いている時点で泣けてきた…。

そういう意味では、始まってすぐから、物語の世界にのめり込んでいた。

で、冬景色。いろりの照明もいい雰囲気だった。さすが!これを目の前で体験できるのが舞台のいいところ。

嶋大夫の源左母の語りがよかった。

‡とっしょり(年寄り)
が耳に残る。

鉄砲玉の音には驚いた。白百合は嫌な予感がしたのか、うつむいていて切なかった。

そして源左どのは本当に踏み台になった。どうやっていたのか、今度よく観てこよう。

次も雪が降る景色。

私も白百合の願いが叶うように祈っていた。

でも最後に
‡源左の嫁で死にたやな
とお願いしたのが叶ってしまうとは…。

ここは「生きたい」だったら叶ったのかな、と思ってみたり…。

でもハッピーエンドにしなかった理由がやはり何かあるんだと思う。

考えさせられる。



時間が尽きたので、

*夏祭浪花鑑

内本町道具屋の段が一番面白かった。私の場合筋がね。

前もって床本集を読んでいても、実際の舞台を観て、さらに楽しい部分がいっぱいだった。

*菅原伝授手習鑑

初めての寺子屋の段は、首実検のところから泣きっぱなし。でも鼻風邪のせいもあって、鼻水が止まらない。泣きやんでも、鼻水をすすっているから、きっと泣いていると思われていただろうな。

*日本振袖始

プログラムを読んで、ガブちゃんが出てくると知った。ガブちゃんだけでも怖いのに、怖さがパワーアップしていくという恐ろしさ。しかも二段階。

娘のかしらが好きなあたしにはちょっと辛かった。

八岐の大蛇って、八つのかしらで、勘十郎さんが遣われるのかしら、と考えてしまった(笑)。

留めを刺す大蛇のかしらは大きかったけど、勘十郎さんだったのか、黒衣なので分からない。

物語としてまた観たいかと聞かれたら、私はそうでもないなぁと思っていた。

でも今回のように本公演の一部だったり、清十郎さんがご出演されたら観たいと思う。

そんな風に思っていたが、帰りロビーで桐竹勘十郎さんにお会いした。嬉しくて「握手してください」とお声をお掛けした。

以前二度ほどニアミスしていて、何もお伝えできなかったので、今日は嬉しかった。

なので勘十郎さんが継いでいかれるであろう『日本振袖始』はまた観たいと思った帰り道だった。


旧暦水無月六日、鷹乃学習。空氷