夏祭浪花鑑

こんばんは。今日は残業がなく時間ができた。

一番にやりたいことが、文章を書くことだった。

相変わらず自分のことなのに驚いた。

でも嬉しい驚き。

こんなにもやりたいことに成長していたとは。

毎日浄瑠璃ブログを書こう!と決めて続けてきた甲斐がある。



国立文楽劇場、夏休み文楽特別公演初日から一週間が経った。

まだ鮮明に覚えていることがある。

これはふと週末に書こうと思っていたら、今日時間ができたので書くことにした。



第1部終演後ロビーでコンビニ弁当を食べようと用意を始めた(根菜たっぷりなの)。

でも昨年ロビーにお人形が出ていたので、もしかしてと思い移動した。

そしたらやっぱりお人形遣いさんがいてはった。嬉しい。

子どもたちに紛れて、お人形と人形遣いさんの写真を撮る。もちろん子どもも一緒に写っている。細かいことは気にしない。

玉翔さんが持っていた、右コンか左コンかは分からないが、触らせていただいた。

今思えば、生き物なら自然の行為で、ちょっと不自然やったかな、とあとから気になった。

でも舞台上では本当に生きているようで、見終わってすぐだったので、ペットの飼い主さんに話しかける時と同じ気持ちだった(笑)。

そうそう、「ちょっと(染料)付きますよ」と言ってくださって、あお人形だと自覚したように思う。



やっぱり文楽人形遣いさんってすごい!



嫁白百合と私も一緒に写真が撮りたかったよぅ。でも子ども優先やしな。

源左どのの写真も撮られて大満足。

それからやっと昼食。劇場で二回目の食事。



第2部
*夏祭浪花鑑
住吉鳥居前の段

私は左側の最前列だったので、お人形の出にどきどき。あ、清十郎さん限定かな。

この段は黒衣。

市松を初めて観たが、いつもの子どもと違い少し驚いた。顔がめちゃ白い。

伺うと、子どもなのに髷を結っている風にしてあると。

現代風だと、ヤンキーの子どもが金髪にしていることやでな、と納得(笑)。

お梶さん、少ない動きで温かい人柄を感じた。

‡銭受け取るも怖々に

は、また足で取るという(笑)。ごーん(いがみの権太)と網島やったかな(忘れた)。

同じ動作をまた目にするのが楽しい。知っているのが増えて嬉しい。

団七は右側から登場。

‡俺でゑす
‡団七でゑすわい

が読んだときからもしかして面白い?と期待していたらやっぱり面白い。耳に残っている。

それからしばらく寝ていた…。

起きたら、団七と徳兵衛が本当に辻札取って喧嘩している最中で、もうお梶さんが出ていた(ガーン)。

でも!なんとか間に合った方だと思う。よかったよ〜。



内本町道具屋の段

魚屋団七が目の前に現れた。勘十郎さんの出にもやはりどきどき。

白の着物姿にもうっとり。でもこの話をどこで知ったんやったかな??思い出せん。なので今回第2部の出遣いに期待していた。

この段の人間模様が読んでいる間はずっと分からなかった。

舞台が進んで行く中で、分かりたい!と思っていたら、道具屋とお客、仲買とやっとすっきりした。

あたしだけかもしれないが、目の前の舞台の力はすごい!訴えかけるものがあるんだろう。あ〜すっきりした。

あとは前もって読んでいたおかげで、磯之丞がだまされていることがすんなりわかり、ついていけた。

そこへ団七登場。かっこいい。

この時も舅が生活費を取り返そうとしている、と分かっていると、団七の憎しみだけで見てはいけない気がした。

人を騙すのはもちろんよくないことやけど、親方がいい人やったし。丸く収まってもおかしくないなと思った。

堪え性のある団七だが、やはり喧嘩っ早い性格がすべてを物語っているのだろう。

魚屋団七がまた目の前を通って帰って行った。

道具屋のセットが移動することに感動。大道具のお話を何度か伺ったことがあったが、やはり舞台上で軽々と移動すると感動する。観ている側の気持ちが途切れることがない。さすが!

‡思い定めし

ってやられっぱなしではないのね、磯之丞。でもね、やめとけばいいものを、と思ってしまった。

番屋の戸、丸に番の字でわかりやすい(笑)。

伝八の
‡胸算用、はまぬけ(笑)。

‡伝八殿
これがまた「でんぱっどん」と英大夫。これも耳に残る。

このあとの袈裟斬り…すっきりするけど、あ〜あ、って感じ。

若気の至りでは済まされないと思うが…。しかも伝八は首をくくるって…。

磯之丞が最後どうなったのか、浄瑠璃集を読もう。

暗がり設定大好き(笑)。柳で初めて知った。この時は笑えなかったけど。

伝八が磯之丞を弥市と思い込む。お人形うまい!勘緑さん。磯之丞にお金が集まるのがおかしい。

隣の席のおばさんが休憩時間になんで?と会話していた。あ〜もったいない。



釣船三婦内の段

据膳にふ〜んとなる(笑)。琴浦の気持ちめっちゃわかるやん。

吉田簑助さんが出てこられてからは、書き留めていない。

釣船三婦の言い訳が長ったらしくておかしかった。

‡薬よ水よ、で泣けた。

また寝ていた…。釣船三婦が数珠を切るとこを見逃した。あー見たかった。真っ赤な顔の釣船三婦が怒るところを。は〜残念。

舅と駕籠が帰るタイミングに、玉女さんの「よしいこう」という声が聞こえた。さすが先輩!

‡息をはかりに

勘十郎さんが走る。いや団七が、人形遣い三人が走る。



長町裏の段

薄暗い舞台にお囃子さんが賑やか。

親子関係は心苦しい。舅も団七、娘の縁を立てようとしただけに…。

祭提灯がきれいだった。

高津宮の夏祭りにも教えていただいて、今はあの提灯はもうないらしい。お芝居の中でしか味わえない。

元々夏祭りに馴染みがなくて、物語としてしか捉えられない。農村の地域は秋祭り。

その賑やかな夏祭りを舅殺しの場面に当てるのは演出の妙か。

まだ一回しか観ていないから、よさが分かっていないだろう。



田島町団七内の段

清十郎さんの白いお着物姿。昨年は黒衣だったので、素直に嬉しい。素敵だった。

物語より、このお姿拝見のため、もう一回行きたい!

でも一回きりの感動を大切に。

‡父様、とっさんと咲大夫。

ふんどしの下り、周りのおっちゃんが早めに笑い出してくれたので、笑いやすかった。

間男退治の団七はかっこいい。

市松に一目逢いたいお梶さん。網島のおさんと一緒のような。ぐすん。

でもだいぶ後から気付いたが、ここのお梶さんは演技だったのか。

お梶さんを目の前で観られてどきどき。あっと言う間に終わり…。

屋根の上の団七もかっこいい。



ちょっと深く書けなかったところもあるが、時間切れ。また今度。


旧暦水無月十二日大暑、桐始結花。空氷