文楽『近頃河原の達引』

こんばんは。

国立文楽劇場、平成22年錦秋文楽公演は21日まで上演中。

いよいよ千穐楽が迫ってきて、はぁ〜切ない…。

もちろん錦秋公演は大満足しているし、「吉野の桜も咲くからは散る筈」と佐治の「不覚」という詞に、うんうん!と頷いていたんやけど…。

はぁ〜切ない…。何度もため息をついてしまう。



第2部、
*近頃河原の達引

文字久さんの声は網島から好きで、聴きやすいと思っている。

よしほさんの「さつてもしたり」は、仕事中によく思い出していた。無意識に(笑)。

にしても、伝兵衛ってかっこいい人柄やわぁ。賢いか。

立ち回りの時の、背中の切り傷の仕組みが3回目にして分かった。

堀川猿廻しの段は、作りが本当に丁寧だと感じるようになった。

与次郎母は竹本住大夫さんの声がずっと残っている。

「あつちに得心せぬ時は」と、ようでけてるなぁと思った。

与次郎と母にしてみたら、伝兵衛は殺人鬼のように思われているのがよく分かる。

笑えるんやけど、二人は真剣なので笑えない。

津駒大夫は
「おしゅんぢやないか」
「伝兵衛さん」
をよく思い出す。

「わしや表に居るわいな」はやっぱり笑ってしまう。楽しい。

「探り寄つたる伝兵衛が傍」の時の伝兵衛、桐竹勘十郎さんうまいなぁと思う。

与次郎は津駒大夫の声がずっと残っている。

今回手紙が3回も出てくるが、津駒大夫の「候(そろ)」が一番好き。

津駒大夫さんって不思議。かわいいと思ってしまう。

猿廻しの「さん な また あろかいな」はまだうろ覚えなので、千穐楽で覚えたい!



なんと!『近頃河原の達引』のCDをAmazonで検索したら、竹本駒之助さんが見つかった。

運命を感じたが、12月聴いてからと、大江能楽堂で売っていたらいいなぁと思って今はやめた。

いずれ買うと思う。でも「猿廻し」は入ってるんかな。

入ってなかったらちょっと迷うところ。



千穐楽は『近頃河原の達引』で終わる。

いろんな場面で、めいいっぱい拍手を送りたい。


旧暦神無月十三日キンセンカサク。空氷