『妹背山婦女庭訓』最初から読書
こんばんは。
小学館『新編 日本古典文学全集 77 浄瑠璃集 妹背山婦女庭訓』を読書。
吉田簑助さん文化功労者顕彰記念、国立文楽劇場4月公演の演目。
私は初めて聴く・観るので、浄瑠璃集を購入した。
読書は何度目やろう。
ふと最初から一字一句読みたくなった。
第一
大内の場
〔一〕天智天皇の宮中、から
〔九〕久我之助の参上、途中まで。
三種の神宝には、ドキドキしワクワクする。
やたらと伝説好き(笑)。
でも伝説って言ったら怒られるんかな。
玄藩のことを「傍若無人」と言われるとわかりやすい。
ささいなことかもしれないが、日本語にますます愛着が湧く。
後室定高(吉田文雀さん)の二つ髷(わげ)。
髻(もとどり)のところを二つに結んでいることらしいので、浄瑠璃から舞台を想像し、実際に観られる日が待ち遠しい。
『伽羅先代萩』と同じように(悪役)蝦夷子が、鎌足を陥れようとわざわざ偽物を作るのが可笑しい。
『伽羅先代萩』では(まともな人)沖の井が「ようできておかしい」と、つまらん企てを言い当てるところに「うんうん」と頷いた(笑)。
この時も(悪役)八汐はやっつけられ、すっきりした。
あぁ…でも千松の死は悲しい。
鎌足は一応証拠となる品(覚えのない偽物)を突きつけられたので、一旦引き下がるところが賢いなぁと思う。
『芦屋道満大内鑑』では榊の前が「天道様はわかっている」と言いながら自害してしまうのが悲しかった。
(悪役)加茂の後室(首が八汐)もやっつけられたが、榊の前が死んだ後なのですっきりしない。
でもこの場合、榊の前が亡くならないと、狐葛の葉の出番がないから仕方がない…。
物語って儚い。
狐葛の葉も保名さんと別れることになり、来世は保名さんと結ばれるといいのにね、と言いたいが、榊の前にも同じ気持ちで、結局どうにもならない…。
もうっ、物語って分かってるんやけど、本当にもどかしい気持ちになる。
さて妹背山に戻ろう。
春日野小松原の場、から舞台は始まるんだと思う。
久我之助(桐竹紋壽さん)と雛鳥(吉田簑助さん)の恋が始まる瞬間の浄瑠璃がなんとも美しい。
ここは聴く・観るのが本当に楽しみ。
腰元の小菊(簑一郎さん)、桔梗(紋臣さん)のお節介ぶり、いや私の側にもいてほしいぐらい積極的な恋の手助け。
今で言うなら、持つべきものは頼りになる女友だちってとこかな。
隠れて見ている玄藩(幸助さん)が「夢うつつ」とは、どういう意味なんやろう。
雰囲気としてはわかるような気もするが…。
雛鳥の「はや涙」悲しい。
玄藩は腰元たちにあっさり「小意地悪」と言われているのが可笑しい。
そのあと采女(一輔さん)を匿う久我之助の機転に感心する。
二人の僧の「アイタアイタ」がかわいそうやけど、面白い。
ここで息子、蘇我入鹿(前半、玉輝さん、後半、文司さん)は仏教。
父、蘇我蝦夷子(玉志さん)は日本の神信仰。
やはりこの頃はまだ仏教が日本に馴染んでいなかったことを、改めて知ることができた。
実際には蘇我家代々が仏教を日本に取り入れようとしていたらしいが(勉強中)。
久我之助が勘当された理由も何回も読んでやっと分かった(あたしの理解力はやっぱり遅い?)。
このあと、めどの方(清三郎さん)の死
蝦夷子の切腹
蘇我入鹿の本心
と続く。
荒巻弥藤次、清五郎さん
安倍中納言行主、勘緑さん
大判事清澄、玉女さん
天智帝、勘壽さん
藤原淡海、和生さん
禁廷の使、紋吉さん
注進、玉佳さん
第2部の配役はまた後ほど。
初日まであと21日。できるだけ一字一句浄瑠璃を読んでみたい。
旧暦睦月廿七日、桃始笑。空氷