『一谷嫩軍記』

こんばんは。

国立文楽劇場、平成22年錦秋文楽公演は21日まで上演中。

もうすぐ終わってしまうのが、本当に寂しくて…、何をしよう…とちょっとうろたえてしまう。

でも!床本集を読むことに。



第1部、
*一谷嫩軍記

陣門の段、小次郎で両手泣きを初めて知った。

文楽は本当によく人が死ぬし…(考えさせられる)、よく泣いている。

今までは女形しか、ほとんど観たことがなかった。

錦秋公演では立役の涙をたくさん観た…。

馬下駄は大変そう。今度は文司さん(敦盛実は小次郎)の出遣いに拍手をしようと思った。

熊谷が小脇に抱えた小次郎は、やはり服装が違っていた。

組討の段、遠見から、手前へ変わる場面は楽しい。

でも「虚々実々」。

敦盛実は小次郎と熊谷の場面は本当に辛い…。

平山が来ると、顔を隠すというのが、よう考えてるなぁと思った。

いよいよ最期の時が近づく…。

熊谷の語りも切ない…。

小次郎の方がしっかりしてるというか、気丈というか…。悲しい…。

「家を忘れ身を忘れ」という覚悟がすごい…。

とても真似できない。

熊谷の「曇りし声を張り上げて」が切ない…。

玉織姫は平山のせいで死んじゃうし、敦盛は生き延びるしで、私は一番かわいそうだと思っている。



このあと、悲しみを背負った熊谷が、妻相模や義経の前で気丈に振る舞っているかと思うと、見応えがある。


旧暦神無月九日、上弦、チハジメテコオル。空氷