夏休み文楽特別公演

sorahi2011-08-07

こんばんは。

今日は国立文楽劇場、夏休み文楽特別公演に出かけた。

一日楽しむのだ。

朝はオクラの花に見送られた。
オクラは食べないけど、黄色い花が気に入ったので咲いた日は嬉しい。

隣の田んぼでは、近づいたら雀たちが一斉に飛び立った。

思わずそこが雀のお宿かと思った。



今日は予定通り早めに出られた。

まぶしい中を歩いていたら、開場時間ぴったりに着いた。



まさかのまさかず!!



早すぎず遅すぎず。いい感じ。

前回間に合わなかった幕開け三番叟が見られた。

最前列は嬉しい。



第1部、
相子大夫解説。

「耳から入ってくる世界」と強調されていたのが印象深い。

もちろん人形も含めた三業があってこそやけど。



日高川入相花王

三輪大夫かわいかった。
って声がね。今日は自然と聴いていた。

清姫は相変わらずかわいかった。

船頭の詞に、「そうそう」「えー」「いやいや」とかわいかった。

日高川を渡る清姫の姿が変わった時、同じ並びの男の子が前のめりになっていた。



お芝居って楽しいね!



映像の良さはあるが、目の前でやれることで感動を与えてくれるお芝居って生き物やな。



人形解説、文哉さん。

「いーだ」の解説を初めて見た。

これは吉田簑助さんのすしやお里が、兄ごーん(いがみの権太)に「あっかんべ」をしている時に見た。

詞がない場面だったので驚いたし、そこにいるようで吉田簑助さんの大ファンになった。



『舌切雀』

さすが咲甫大夫。聴きやすい意地悪声。

相子大夫は優しい善兵衛。

玉也さんも、桐竹勘十郎さんもさすがなんやけど、あたしは雀に夢中だった。

なので雀が舌を切られる時は本当に泣ける…。

‡神ならぬ身は知る由もなき

‡盗まれるはそなたがうっかり

が好き。

雀のお宿へのセット替え、私も「おぉ〜」と思うが、客席みんなが感動していたように思う。拍手もんやったよ。

親雀が飛んでくる時に拍手ができた。

お竹婆は勘十郎さんしか無理やと思う。

怪物が手摺を越えて上手側の客席に近づいた!

骸骨との戦いも前回と変わっていた!

おもしろ〜い。

‡『竹に雀』の縁によって

‡ふくら雀

めでたい言葉が続く。

山鳥の、あとが『猿廻し』の旋律に似ていると思った。

前回見た時も手拍子をしたかったが、今回終わりに向けて手拍子ができた!

楽しかった!!

狸も狐もよかったが、雀が一番楽しかった。



第2部、
『絵本太功記』

呂勢さんの光秀が一番よかった。

そして津駒大夫、源大夫が好きだと再認識した。

お芝居はほぼ見ていたが、私には感動のしどころが分からなかった(申し訳ない)。

やはり清十郎さんの出番を楽しみにしているから、思い入れがなかったんだと思う。



プログラムの「文楽の楽しみ方」に「ご贔屓の芸人をみつけてください」とあった。

まさに自分がそうしているので驚いた!

文楽好きだと言っているが、清十郎さんのファンになっていなかったら続いていたか分からない。

改めて、一番は清十郎さんが好き、二番は文楽が好き、三番は浄瑠璃を読むのが好きと再認識した。

劇場に行きたくなる理由が一番大事なんやと思う。

『絵本太功記』の良さはまた分かる時が来るだろう。

今回「おお落とし」で寝てしまっていたが、最後に久吉が出てきそうなのが分かって目が覚めた。

久吉が中央にきて、やはり主人公なのかなと思った。

泣けたのは源大夫を聴いて。

休演を知ったが聴けて本当によかった。



最近光秀の陣所がみつかったでな。

公演中なので驚いた。



第3部、
『心中宵庚申』

竹本住大夫さん父がすごくよかった。

吉田簑助さんの千代もよかった。かわいくて、ずっとうっとりしていた。

千代姉おかる、吉田文雀さんと抱き合う場面がきれいだった。

勘緑さんはお休みだった…。

半兵衛は源太くんなので、ついかっこいいと反応してしまう。

もちろん勘十郎さんの半兵衛やからと思う。

住大夫さんの父に感動しつつ、
‡下々は野へ行きつらん

ってバレてるで〜(笑)。

おかるは誰もいないのに呼びつけるし(笑)、千代は障子を閉めるし(笑)。

半兵衛は冷たくされて、おかるに胸に手を当ててと言われても詞なしで思わず笑ってしまった。

でも鰹節では笑えない。

‡千代も同道の、千代が嬉しそうでめっちゃかわいかった。

父の、叶うなら心の中を見せたいは微笑ましい。

上田村はいろいろ楽しんだ。

でも…不吉な門火で終わるという…。



嶋大夫も自然と聴いていた。

じゃれて機嫌を取る玉也さんよかった。

婆さんは文司さん。

‡外へ出ればまた有り難いことも聞く

嬉しそうに戻ってきた千代がすごく切ない…。

簑助さんの千代、かわいすぎる。

‡人には合い縁奇縁

‡人界の習わし、こうしたもの

人形も太夫も本当に自然だった。三味線は團七さん。



道行、ツレはいいなぁ。心中なのに楽しい。



…でもやっぱり心中の場面は見たくないなぁ…。



旧暦文月八日、タイウトキドキフル。空氷